「見えないアート」、名前の通りキャンバスには何も描かれておらずただ真っ白なだけ。このアートからなにを感じるかはあなた次第だといったものなんですかね。
ニューヨークで開催された「見えないアート」
彼女が展示している「透明のアート」を見るためにコレクターは集まり、「見えない作品」を購入している
ニューヨーク在住の27歳アーティスト、「透明のアート」を展示し大盛況 | gori.me(ゴリミー)
27歳の芸術家Lana Newstrom氏が製作したもの。展示されている作品はもちろん見えない。「Water Pipes」という作品も「Sleeping Dog」という作品も凡人には違いなど分かるはずも無く。
本人曰く「目に見えないからと言って製作時間が掛かっていない訳ではない」と。
話を聞きつけたコレクターが集まり「見えない作品」を購入。なにもない所をみんなで見つめ続けること数時間。
現代美術ってやつなんですかね、これは。客も一緒になって作り上げる作品としては悪くなさそう。
本当なの、と思いましたが実は海外のラジオ番組での企画。
このニュース記事はウソ。このアートは、CBCの時事風刺番組として作られた
Lana Newstrom’s Invisible Art: Real or Hoax?
コンセプトはまさにこのニュースを聞いた反応自体にがあったよう。
人々はだまされやすい美術界を風刺するのが大好き。「見えないアート」に対する反応は、私たちが美術市場をどう拒絶しているか示していると。
これは番組の企画でしたが、実際に真っ白な絵画を展示したアーティストもおり、
GIANNI MOTTIというアーティストの”Magic Ink”という作品
Gianni Motti, 1989 Courtesy Galerie Perrotin
作品は絵を描いた瞬間だけ映り、すぐに消えて見えなくなる特殊インクで書かれまさに一瞬の芸術。よく目を凝らしてみると、うっすらと描いた絵が浮かび上がりなんとなく描いたものが想像できそうな感じ。
他にもロバート・ラウシェンバーグというアーティストも「白い絵画」という作品を発表しており、名前の通りただの白い絵。
見る人に絵画の中の狭い世界だけに目を向けるのではなく、外の世界に目を向けるように呼びかける思いが込められていると。
絵画なんて結局見てなにを感じるかですしね、見えないものから何かを感じられればそれだけで意味はあるのかも。