握らず作れてパッと見サンドイッチのようにも見える「おにぎらず」。新たに米の可能性を広げる一品と評価され「2015年今年の一皿」に。
握らないおにぎり「おにぎらず」
食をテーマとした調査・研究を行う「ぐるなび総研」(東京都)は7日、今年の世相を象徴する食文化「2015年今年の一皿」に「おにぎらず」を選んだと発表した。
<今年の一皿>それは「おにぎらず」…にぎらずにのりで包む – BIGLOBEニュース
選ばれる基準ですが、社会の動きと関係が深くなおかつ食文化の記録として後世に受け継ぐ価値があることが条件。
食に興味のある約1300万人のぐるなび会員への調査などから候補が選ばれ、そのなかから「おにぎらず」が「今年の一皿」に。
他に候補として挙がっていた食に「スーパーフード」「なまずの蒲焼」「のどぐろ」「クラフトビール」「ジャパニーズウイスキー」などが。
この中から米離れがささやかれる昨今、米の可能性を広げた点も評価され堂々の受賞。具材が豊富なことや、手がご飯に直接触れないため衛生的であることも評価されたんだと。
おにぎりは手で掴んで食べるからいいんじゃないか、と思わなくもないですけど。
「おにぎらず」は、海苔の上にごはんを敷き、その上に具材を乗せて、海苔の四隅を中心に合わせるような形で包み、半分に切ったもの。
「おにぎらず」2015年の一皿に。みんなのおすすめの具材は?(画像集)
半分に切る事で、あたかもサンドイッチのように中の具がきれいに見えるようになり、視覚的にも食欲をそそるのも大きなポイントに。
従来のおにぎりでは一口食べるまで中の具は分かりませんでしたからね。ただ、食べるまで分からないというのもおにぎりの楽しみの一つでもありましたが。
「おにぎらず」2015年に知名度が一気に広がる
ぐるなびの会員約1500人を対象にした調査では、おにぎらずを知っていると答えた人は78%で、このうち8割が2015年に知ったと答えた。
ぐるなび、今年の一皿は「おにぎらず」 :日本経済新聞
レシピ本が多数発行され、メニューに取り入れる飲食店も急増したそう。私も今年どころか、今はじめて知りました。世の中の流行に全然追いつけてない。
この「おにぎらず」、考え出したのは食マンガとしては知らない人はいないであろう「クッキングパパ」の作者であるうえやまとちさん。「美味しんぼ」と並んで2大食マンガといっていい長期連載作品。
1991年発売のコミック第22巻に「にぎらずにできるおにぎり」として掲載されたのが始めで、すでに20年以上前に考え出していたもの。
今年の一皿に選ばれたことについて「何が何やら。25年前に書いたものが今ごろなんで」と恐縮しながらも「ありがたいと思っています」と笑顔。
今年の一皿に「おにぎらず」、コメ離れの食卓に革命 – トレンド : 日刊スポーツ
ご本人も何で今頃?と疑問に多いつつも、「日本の食文化の一つとして定着してほしい」と話されたよう。
米離れに悩む農家の方も、「おにぎらず」で再び米のよさに気づいて食べる機会が増えることに大きな期待をしているんだと。