処女のみ参加資格あり、スワジランド国王の妻の座をめぐり踊りを披露する「リード・ダンス」

スワジランドでは、国王が主催する一風変わった儀式があるんだそう。６～７万人の処女の若い女性だけを集め、上半身裸で歌い踊らせてその中から奥さんを選ぶというもの。まさに国王のみが可能な儀式といった感じがします。

スワジランドの伝統儀式「リード・ダンス」

「リード・ダンス」は31日に行われる予定で、数万人の少女たちが集まり、一夫多妻の王の前で踊りを披露する。王はその中から新しい妻を1人選ぶ
交通事故で王の花嫁候補38人が死亡、スワジランド 写真1枚 国際ニュース：AFPBB News

国内各地から６～７万人の若い女性が呼び集められ「リード」と呼ばれる長さ数メートルの葦（あし）を持って王宮に集まります。
国王自ら参加者の中から新たな妃を選ぶことが慣例となっているんだと。毎年恒例の伝統行事。
この儀式の一番の特徴といってもいいのが、参加資格。なんと処女しか参加を許されないこと。
そのため、この「リード・ダンス」という儀式は「処女ダンス」とも呼ばれています。集まった女性達は、処女性の象徴としてブッシュナイフを手に持ち、上半身裸で歌い踊り行進します。
国の要人だけではなく、一般市民や観光客もこの祭りを見て楽しむことができるので、この時期に観光で訪れる男性も多いんだと。
男にとっては夢のような祭りであることはもちろん、女性達にとっても玉の輿に乗る格好のチャンスということもあり、踊りにも気合が入りまくっていると。
国王に見初められた女性は、王妃として宮殿とドイツ製高級車が与えられ一気に王家の仲間入りできる事に。
この「リード・ダンス」、行う目的はもちろんエロ目的ではなく、国中の未婚女性が王母のもとに集まり、王母へ捧げる共同作業を行うこと。
これによって王家への忠誠と女性間の連帯を深めることで結束を高め、国の発展をより促すことが目的。
ただ儀式の性質上、良からぬ行為が問題となる事も多く、エイズが特に深刻な問題になっているんだと。

親の監視を離れて自由時間もたっぷりある10代の少女数万人が集まるとなると、セックスのことしか頭にない男たちも吸い寄せられるように集まってくることになる。
HIV感染率世界一のスワジランドで「処女ダンス」、問題視される舞台裏 写真11枚 国際ニュース：AFPBB News

国王だけでなく、若いスワジ人の男性にとっても、パートナーを見つける良いチャンスとなるのは自明。
「リード・ダンス」が行われる時には、参加する女性達は付近の川で丸裸になって体を洗います。
男たちはこの光景ものぞき見しており、この川に沸く「カドルパドル（抱擁の水たまり）」と呼ばれる温泉は、セックスの隠語となっている。

国民はというと、国民（15～49才）の30%以上はエイズ（これは世界最悪）にかかっており、平均寿命は41～43才。
アフリカのニュースと解説: 援助と外交：スワジランドの例

スワジランド王国はアフリカのなかで最も小さい国のひとつ。南アフリカ共和国とモザンビークに囲まれた内陸にある小王国で人口は100万人強。
最もHIV/AIDSの蔓延した国家の1つで4人に1人がHIV陽性者となり、経済発展の足枷となっているほど。また平均寿命が最も短い国でもあり、その要因はエイズの蔓延や治安の悪化。
なぜここまで蔓延しているのかというと、コンドームの使用や一夫一婦制の確立といったセーファーセックスが行われていないため。
スワジランドの伝統的な文化と反することが大きな理由として挙げられています。
スワジランドでは人口の増大自体が生殖における文化的信条であると考えられており、スワジ女性は最低でも5人の子を出産すべきだという信条があります。
この信条が中心にあるため、おのずと男性の役割は性的パートナーである女性を複数持ち妊娠させることに繋がります。ゆえにコンドームの使用や一夫一婦制といったものの普及が妨げられることに。
「リード・ダンス」にはエイズへの啓発と禁欲を促すという目的も含まれているものの、その内容と啓発が結びつかず諸外国から矛盾も指摘されているんだと。
まあ、裸で躍らせて奥さんを決めるわけですしね、どこが禁欲なのかと。