自殺は耐えられない苦しみから本人の考えで行うものと考えられてきましたが、実はそれだけではなく遺伝子も大きく関係している可能性があるという研究結果が発表されました。
自殺遺伝子「SKA2」
この遺伝子は”SKA2”と呼ばれる単一遺伝子で、自殺する傾向がある人はSKA2の発現レベルが著しく低下し、変異していたという。
日本や世界や宇宙の動向 : 自殺も遺伝子が原因!?
研究者が共通遺伝子を調べている際に、自殺が多発しているある家系に行き当たったことがきっかけ。家族や親戚に自殺者がいる場合は、いない場合に比べて数倍高くなると言う調査結果もあります。
自殺に対する最近の考えでは、自殺を多く出す家系には単に心の病が存在するだけでなく、衝動的行動に突っ走る何かがあると考えるのが通説となっていました。
「SKA2」と呼ばれる単一遺伝子、脳のストレス抑制を助ける作用があるとされ、脳がストレスホルモンにどのように反応するかに関連しており、化学変化をもたらします。
本来、マイナス思考や衝動的な行動を抑制する脳の部位に作用するといわれている「SKA2」。
ですが異常が起こり正常に機能しなくなると、ストレスに反応して体内で生成される多量のストレスホルモン、コルチゾールをうまく抑制できない状態に。悲観的な考え方を持ちやすくなり、マイナス志向や鬱病などに陥りやすくなるんだと。
日常生活の中で嫌な気分ではあるもののそうたいした事でないことも、抑制が正常に機能せず自殺願望や自殺行動に変えてしまうことになり、その結果、実際に自殺という行為に達してしまう可能性が高くなると。
「SKA2」が低下するとメチルと呼ばれる化学物質が加わります。自殺願望があったり自殺を企てたことのある人の「SKA2」遺伝子はこのメチル化が非常に進んでいることが新たに判明しました。
自殺リスクを高い確率で特定可能に
自殺した人はこの化学物質の脳内の値が高いことから、研究チームはこの物質と自殺との間に注目した。実験では80%の確率で、自殺を考えたことがある人や自殺未遂の経験がある人を言い当てたという。
CNN.co.jp : 血液検査で自殺を予防? 米研究
325人から血液サンプルを検査し、「SKA2」の変異が認められた血液の持ち主の80%に当てはまりました。
こうした血液検査による自殺の予測をすることで、自殺という最悪の結末を阻止するため早期に係わり防止対策する事で、自殺を抑制できるかもしれないと。
実際に全て終わるまで兆候に気づけなかったということが、これからの研究次第では大幅に減らせる可能性が。
血液検査による自殺の予測をより詳しく調べるために調査対象の規模を拡大しても可能かどうかは、プライバシーの観点も含めた上でさらなる研究を重ねる必要があると。