イギリスのとある森にこれでもか、と埋め尽くされた「妖精のドア」。これにはイギリスの妖精に対する深い愛着があったんだと。
欧米の子どもたちに大人気「妖精のドア(Fairy Doors)」
多くの子どもたちは森には妖精が住んでいると信じており、妖精たちのために木に扉を取りつけ、「家」を作ってあげる
イギリスの森で「妖精の家」が急増…立ち退きを迫られる事態も – IRORIO(イロリオ)
アメリカやイギリスの子どもたちに人気の「妖精のドア」。扉を開けると、中にはミニチュアの家具が入ってたり、妖精への手紙が投函され、絵本の世界に迷い込んだみたいな気分に。
欧米では知名度をあげてきており一見ステキな話に思えますが、この話が伝わったイギリスのとある森で、これがちょっとした問題になってしまいました。
その森はウェイフォードの森。イギリスのサマーセット地方にあります。
2000年に妖精のドアが見つかったことをきっかけで、妖精の森として有名に
「妖精ドアが森を占領!?」| コラム | COCORiLA(ココリラ)
有名になったまでは良かったのですが、なりすぎて「妖精のドア」を設置する人が増え続け、現在では200もの「妖精のドア」が存在することに。数多くある扉の取り付け方法が問題視されています。
ここまで増えてしまったのに誰が付けてるのかは一切不明。子供たちの家族、地域住民、観光客など思惑が一致してこのような状況に。
あるドアはネジや釘を木に打ち込み、多いものでは1つの木に10個以上もの扉が取り付けられている木もあるんだとか。
ドアの数が増えすぎ木が傷つく、木の景観が損なわれるなど森林保護の観点から当局がドアの撤去を開始することに。
この森の管理人さんも悩んでおり、
「小さなドアが森の至る所にあります。決して妖精を否定する訳ではありません」
【海外:イギリス】妖精の森?増え続ける謎の小さなドア | 日刊テラフォー
制限を加えない限り、このままでは収拾がつかなくなる恐れが高く、森が妖精のドアに埋め尽くされるとの判断からやむなく撤去する事を決定。
撤去された事で、子供達はショックを受け、親がクレームを入れてくる事もあり、頭を抱えている状態。
騒動を巻き起こしている「妖精のドア」、最初に始めたとされる人物は今から20年程前にも昇り、1人の童話作家が始めたと言われています。
アメリカ、ミシガン州のアナーバーという町で、近所の子供達を喜ばせるために自分の家に作ったのが始まり。
子供達を驚かせようと自宅を改装する時に作ったものが、町から町へと広まり、ついにイギリスにまで広まりました。
そもそも「妖精」は、イギリス生まれで日本でいう「妖怪」のようなもの。
イギリスの文学における大きな特徴の一つで、ドワーフやエルフ、オークといったファンタジーの世界に欠かせない存在。
それだけにこの話が伝わり、知った住民が森の環境に影響を与えてしまうほどに妖精のドアを設置してしまったと。
決して悪意があるわけではなく、愛着ゆえに行き過ぎてしまっただけ。森と共存できるいい解決策を模索中だそうです。