一分一秒を争う遭難時の救助をより確実に
レスキューハーネスを開発した山岳警備隊員の谷口光洋さん。
岐阜県警に所属する日本トップクラスの山岳警備隊員で山岳警備歴36年という大ベテラン。
岐阜県だけでも去年の遭難事故は100件を超えるなど、一分一秒を争う遭難時の救助の際に大きな役割を果たすのがレスキューハーネス。
レスキューハーネスは谷口さんが20年の歳月をかけて開発し改良したもの。
ハーネスは本来、パラグライダー本体にパイロットをつなげる役割をします。
ほかにもロッククライミングや工事現場用、カーレース用の4点式以上のものを指します。
ちなみにクライミングやレスキュー用のハーネスを購入する場合は「フォールアレスト対応」のものを選ぶほうが推奨されています。
フォールアレスト対応だと滑落時に最短距離でとどまることができることが大きな利点。
ぶら下がったときの体勢も身体に負担が少ない状態が維持できるという優れた機能を持っています。
谷口さんが山岳警備隊に入隊した当時は救助道具が十分ではなくザイルで遭難者を救助していました。
けれどザイルは救助する方される方、共に体への負担が大きく救助道具としては問題がありました。
20年の歳月をかけて開発し改良された「レスキューハーネス」
そこで当時、山岳ヘリ救助の先進国だったフランスとスイスへ研修に出向いた時に日本よりもはるかに優れた救助専用の道具に衝撃を受けます。
見たこともない救助専用の道具に驚かされた谷口さんは帰国後、日本にも取り入れようと登山用品メーカー社長の高橋さんを訪ねます。
そして山岳救助専用のハーネス作りを始めました。
何度も改良を重ね続ける谷口さん。
ついに「着脱が容易で遭難者を包み込むことができる」最強のレスキューハーネスを完成させます。
現在も思いを受け継いだ後輩のレスキュー隊員が更なる改良を加えより進化し続けています。
岐阜県警に勤める谷口さん。
山岳警備隊では全国で2人しかいない警視庁指定広域技能指導官の指定を受ける稀有な人材。
遭難者救助活動と並行して後輩の指導にも力を入れて活動されています。
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