100年間、変わらなかったレントゲンの常識を打ち破る「スーパーレントゲン」
最新のMRIのなんと約100倍の解像度を誇り、従来の「柔らかい組織を写せない」というレントゲン技術の常識を打ち破りました。
その結果、乳がんを一目で発見出来るようになったとんでもない優れたレントゲン技術。
開発したのは、東北大学多元的物質科学研究所教授の百生敦さん。
現在、検診に使われている「マンモグラフィ」というレントゲン撮影の画像では乳腺とがんとの見分けが難しく、診断が困難な場合が多くありました。
日本人女性の14人に1人がかかり年間1万2千人以上が亡くなっています。
けれどもこの乳がん、早期発見できれば生存率は9割を超えると言われています。
乳がんを一目で突き止める「スーパーレントゲン」は乳がんを疑う患者にとって非常に心強い味方に。
また乳がんだけでなくリウマチや様々な病気の早期発見にも期待される「スーパーレントゲン」。
その開発は25年前から始まっていました。
「柔らかい組織を写せない」という100年間、変わらなかったレントゲンの常識。
それを覆す研究に「先入観を捨て誰もやらないことをやる」と心に決めて挑みました。
エックス線の屈折をモアレを使うことで画像解析を可能に
百生さんは固いものは通らなく柔らかいものは通すレントゲンのエックス線に着目。
柔らかいものを通る時に起こるエックス線の屈折をモアレを使うことで画像解析できるようにしました。
モアレとは、
モアレ・モワレは干渉縞ともいいます。
規則正しい繰り返し模様を複数重ね合わせた時にそれらの周期のずれにより視覚的に発生する縞模様のことを指します。
通常のレントゲンでは映らない画像を鮮明に捉えることが出来る「スーパーレントゲン」。
コニカミノルタと共同開発した実験機は早くも見分けのややこしい乳がんをはっきり捉える事が出来ました。
「これまでにない画像診断を切り開くパイオニアとして進んでいきたい」
という百生さんの思いは現実化しています。
埼玉医科大学病院では百生さんのスーパーレントゲン技術を使い関節リウマチの臨床試験を開始し、軟骨の変化を見事に捉えることが出来ました。
この画像を見た医師たちからは「凄い、初めて目にする光景。これなら早期発見も可能になる。」との賛嘆の声が上がりました。
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