「Kinect(キネクト)」をヒントに開発した「エアースイッチ」
わずかな身体の動きでスイッチをオン・オフ出来る「どこでもスイッチ」。
その一つが「エアースイッチ」。
開発したのは東京大学先端科学技術研究センターの巖淵守准教授。
パソコンの画面に四角い枠を描くとそこがスイッチになり、そこへ触れるように体を動かすとスイッチを操作できるように。
「フェイススイッチ」というものあってこれは目や顔の動きを感じてスイッチが作動するもの。
「どこでもスイッチ」の正式名称は「OAK(オーク)」と言います。
マイクロソフトの「Xbox One」というゲーム機で使われてる「Kinect(キネクト)」が開発のヒントになっています。
「Kinect(キネクト)」は体の動きでゲームを操作できる体感型ゲームシステムのこと。
半導体から福祉の道へ進む
巖淵さんの元々の研究分野は「半導体」。
「直接、もっと身近に人の役に立つことがしたい」
そう考えるようになり工学を福祉機器に活かす研究を始めます。
半導体から福祉の道へ進んだ巖淵さんは難病で鉛筆を握ることができない筋ジストロフィーの少年と出会ます。
この少年はなんとかパソコンを操作することはできましたが、パソコンを使って大学入試を受けることが認められなかったことを知ります。
巖淵さんは福祉を学ぶためアメリカへ留学し200万人の障害者が大学で学んでいるのを知りました。
それに比べて日本ではたったの5000人しか学べていない厳しい現実がありました。
巖淵さんはすぐにパソコン受験を可能にする使用履歴を記録するシステムを作り上げ、そのソフトを無料でダウンロード可能にします。
- 脳性麻痺の少年は「どこでもスイッチ」で自分の思いを伝える練習を重ねる
- 脊髄世筋萎縮症の女性は「どこでもスイッチ」を使用したマウスで絵を描く
ことが出来るようになったんですね。
心の内を伝えるコミュニケーションツールとしての役割も果たす「どこでもスイッチ」。
「できなかったことができる喜びを一人でも多くの人に感じてほしい」という巖淵さんの願いは確実に現実のものになってきています。
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