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自分の絵だけはゴミ箱に、ドロボーの目利きに思わず関心してしまったある医師

小話

自分の作品に過剰な自信を持っていた医師

休日になると絵筆をとり絵を描くことを何よりの楽しみにしてる開業医が大阪に住んでいました。
彼はふだんから本物の絵をみて眼力をつけなくてはと、自宅には小磯良平や梅原龍三郎の絵を飾っていました。

もちろん彼らの作品と一緒に自分の作品も並べ、来客のあるたびに見せては、
「ほとんだ見劣りしないね」
といわれて悦に入っていました。

ある日の晩、この医師のところにドロボーが入りました。
飾ってあった絵をごっそり盗んでいきました。

医師は盗まれたことにはがっくりしながらも自分の絵も小磯良平や梅原龍三郎なみの扱いを受けた、となにかしらの妙な嬉しさも湧き上がります。
けれど部屋の中をよく見渡し愕然とする医師。

ゴミ箱の中を見て愕然と

ゴミ箱の中にクシャクシャにまるめられて捨てられている一枚の紙。
そうなんです。医師の描いた絵だったのです。

「これは目利きの優れたドロボーだな!」
と一瞬関心したものの、すぐにとてつもない落ち込みよう。

キャッツアイさながらの、ある意味、専門家と言ってもいいドロボーの目利き。あなどれません。
医師も落胆しつつ、ゴミ箱の中に捨てられた自分の絵を見ながらメラメラと創作意欲が湧き上がり、次こそはちゃんと盗ませてやる決意を固めたのだとか。

ドロボーだから学や見る目がないという思い込みに、自らの浮かれた気持ちを再認識することに。
よからぬアクシデントに見舞われて気づくこともあるだなと。

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