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「王の学徒」を目指す、イギリスの名門校「イートン・カレッジ」が映画の世界みたい

豆知識

1440年にヘンリー6世によって創立された全寮制私立校。日本で言う中高一貫の男子校ですね。王室とも非常に縁が深く、ウィリアム王子、弟のヘンリー王子の母校でもあります。
日本人では徳川家達も卒業生なんだとか。
生徒数は約1300人で、13歳から18歳の男性を対象としています。
https://japanese.china.org.cn/photos/2010-10/20/content_21162317_3.htm

学費もさすがのお値段で年間3万ポンド。この費用が5年間続くわけで、本当に裕福な家庭しか通うことが出来ないまさに名門。
制服ももちろん最高レベルで700ポンドの服を着こなします。「王の学徒」と呼ばれる「カレッジ」に住むことが出来る権利を持った生徒達。「カレッジャー」と呼ばれ、さらにワイシャツやネクタイなどにお金がかかるようになり、少なくとも数千ポンドは必要だとか。
制服ですが、イギリスでも着ることが珍しい燕尾服。それにファルスカラー、チョッキ、ピンストライプのズボンを合わせたものに。
昔はシルクハットもかぶっていたそうですが、20世紀半ばに廃止されたよう。
その理由はなかなか重いものであり、第二次世界大戦が始まったこと。毒ガス防衛マスクを着用しなければいけなくなり、シルクハットとの相性が悪いことがきっかけとのこと。
https://courrier.jp/blog/?p=14499
制服にもいろいろな種類があり、高学年で成績が優秀な20人のなかから選ばれる「監督生」(6th Form Select)と呼ばれるものがあり、規則を守らない生徒に対して、上級生として罰則を与える役割を与えられるそう。
金ボタンのついたグレーのチョッキ、グレーのズボンを着用しているのが特徴で、人目で監督生だと分かるようになっているんだとか。
思わず道を開けてしまいそうですね。この方達が集団で目の前を歩いていると。
他にも優秀な成績を修めた「最優秀生」、生徒会役員「ポップ」があり、
「最優秀生」には銀色のボタンが付けられるようになり、「ポップ」は赤いチョッキとグレーのズボンを身に着けるようになるんだそう。
「ポップ」は朝礼を取りまとめる責任者でもあり、このレベルまで来ると自由な柄や色のチョッキをカスタマイズし、好みの制服を切られるようになるみたいです。
完全にRPGゲームですね。レベルアップすればするほど装備品が代わる、見た目だけで分かる、分かりやすいシステム。
これだけではなくさらにその上、最高に位置する称号が。その名も「王の学徒」(キングズ・スカラー、King’s Scholars)。
1学年で10数名の学生だけに与えられる称号で、学費の10%に相当する奨学金を受けることができるように。
「王の学徒」である証、「黒いガウン」を着用し、さっそうと歩く姿はまさに王と呼ぶにふさわしいほど。
学校内の「カレッジ」と呼ばれる中心部分に住む事が出来るようになり、手紙を書く際にも氏名の末尾に「King’s Scholars」の略称である「KS」を使用することが出来るようになり、自分の存在を内外に示せるようにも。
この手紙が届いたら、手を合わせてから呼んだほうが良さそうです。
こういう子供のころからの教育で、イギリスはトップの自覚や責任を教え将来の大きな戦力を育てているんですね。

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