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眉をひそめてただ頷くだけで神々の宮殿そのものをを揺るがす、大地と空を支配する偉大にして最強の神々の王ゼウス

神話

比類なき力持ち主、神々の王ゼウス

ギリシャの北部にはオリンポス山と呼ばれる非常に高い山があった。
非常に高いためほぼ一年中、頂上は雪で覆われ雲に包まれることもしばしば。
その側面は非常に急峻で樫やブナの深い森で覆われていた。

ギリシャ人は神々の宮殿はこの山の頂上、人の手の届かないところにあり雲に隠れていると考えていた。
彼らはここで神々が集まり大会議を開き盛大な祝宴を催す、全世界の事柄についても話し合っていると考えた。

大地と空を支配するゼウスは神々の王。神々の中で最も偉大にして最強。
その他のすべての神々の力を合わせても彼には勝てないほどの比類なき力持ち主。
雲を生じさせ渇いた大地に雨を降らせたのもゼウス。

彼の大きな武器は右手に持っていた稲妻。
しかし稲妻が使用されることはめったになかった。
ゼウスは眉をひそめて怒ってうなずく、ただそれだけで神々の宮殿そのものをを揺るがすのに十分だったから。

ゼウスは比類なき力持ち主だが王でもあり、自分を喜ばせる者には寛大。
地上に住む人々は彼を愛し、また恐れ彼を父と呼んだ、畏怖と敬意を込めて。

彼はすべての神々の中で最も正義の象徴とされている。
かつてギリシャ人と他民族との間に大きな戦争があったとき、他の神々はすべてギリシャ人の味方につきできる限りの好意を持つ人々を助けようとした。
しかしゼウスはそうはしない。
彼は正義であろうと努め、ついには勝利を得るに値すると考えた人々に勝利を与えた。
情によって勝者を決めるのではなく理によって判断、自らの感情に流されず理のある方へ勝利をもたらす、正義の象徴とされる所以。

オークの木

すべての木の中で最も強く最も雄大であるため、ゼウスにとって神聖なものと考えられていた。
ギリシャのある地域にはドドナの森と呼ばれる壮大な森があった。
ドドナの森はとても生い茂っていて、太陽の光は葉の間から地面の苔までほとんど届かないほど。

風が節のある枝の間で奇妙な低い音を立てる。
人々はすぐにこれが彼らの偉大な神ゼウスがお気に入りの木の葉を通して人々に話しかけているのだと思い始めた。
そこで彼らはこの森を神聖なものとして格別の敬意を持って奉る。
そして祭司と呼ばれる彼の召使いだけがそこに住むことを許されることに。
人々は神の助言を求めるためにギリシャ全土からこの場所にやって来る。
祭司たちは彼に相談し、枝の間の風のささやきの中で彼の答えを受けた。

人々が教会を建てるのと同じようにギリシャ人も神々のために美しい神殿を建てた。
彼らは神々から与えられた援助にどれほど感謝しているかを惜しみなく示す。
金や銀、その他の貴重品の豊富な贈り物を可能な限り思いを込め神殿に献上した。

各神殿には祭壇と呼ばれる大きな大理石の塊がある。
その上で司祭たちはしばしば小さな火を燃やし続けている。
神々の助けを得たいと願う人は、鳩、山羊、牛を神殿に連れて行く。
祭司たちがそれを処理し、その肉の一部を捧げ物として燃やす、香ばしい肉の焼ける匂いが神々を喜ばせると考えたからである。

ゼウスに敬意を表してギリシャで最も美しい神殿が建てられる

ゼウスは神々の中で最も偉大であったため、ギリシャで最も美しい神殿の多くがゼウスに敬意を表して建てられた。
これらのゼウス神殿の1つの一部は今も残っており、ギリシャ観光に行くことがあれば見ることができる。
目も覚める最高級の白い大理石でできており、美しく彫刻された高い柱の列で四方を囲まれている。
ギリシャ人の畏怖と敬意が込められるだけ込められて、建造されたことを感じずにはいられない。

別の神殿には象牙と金で作られた大きなゼウス像がある。
高さ60フィートを超える巨大なもの。
彫刻で覆われた大きな玉座に座る神を示していた。神のローブは純金。

一目見て溢れ出す感情。最も素晴らしかったのは彫像の顔だ。
あまりにも壮大で美しかったので当時のギリシャ人はこう言ったと言われる。
「彫刻家が天に昇って玉座に座るゼウスを見たに違いない、あるいは神が地上に降りてきて芸術家に顔を見せたに違いない」

ゼウスを讃えて開催されるオリンピア

ギリシャ人は神々のために神殿を建設するだけでなく、彼らを讃える盛大な祭りも開催した。
これらの祭りの中で最大のものはオリンピアと呼ばれる場所でゼウスを讃えて開催された祭り。
4年ごとに使者が町から町へ向かい、そのことを知らせる。
「そうすればこの世のすべての戦争は止まり、ギリシャ中から人々が神を崇拝するためにオリンピアに集まるだろう」
ギリシャ人はそう考えた。

オリンピアでは最も速いランナーが賞品としてオリーブの葉の花輪を求めて競い合っているのが見える。
戦車競走やレスリングの試合、その他のゲームも溢れる熱意を持って行われた。

ギリシャ人はゼウスと他の神々は祭りで人間が力と技術を使って競い合い、名誉を与え、与えられ合うことを見るのが大好きだと信じていた。
そのため何ヶ月も前から男性はオリンピアの試合に備えてひたすらに練習した。
その中で勝利を収めた者は最高の称賛を持って神と人々のお気に入りとして注目され歓迎された。

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