芝居小屋に掲げられる一座の主役8人
昔は芝居小屋の表正面に一座の主な役者8人の絵を描いて掲げていました。
まず「書き出し」からはじまって、
「二枚目」「三枚目」「中軸(なかじく)」「敵役(かたきやく)」「実敵(じつがたき)」「実悪(じつあく)」、最後が「座頭(ざがしら)」となってたんですね。
「二枚目」には男役で人気のある美男子役の役者が描かれることになっていました。
「三枚目」はこっけいな役どころの脇役が描かれていました。
このことから転じて、
- 男前の役者を「二枚目」
- こっけいな道化役の役者を「三枚目」
と呼ぶようになり、一般的にも「あの人は二枚目やね」とか「自分のような三枚目が・・・」とか使われるようになったんですね。
ちなみに、はじめのころは劇団の座長を「立役(たちやく)」、次に偉い人を「二枚目」、3番目に偉い人を「三枚目」と呼んでいました。
それが徐々に変わっていって、役柄から
- 男性の主人公を演じる役者を「立役」
- 色男を「二枚目」、道化役が「三枚目」
- 老人に扮する役者を「老役(ふけやく)」
- 女に扮する役者を「女形(おやま)」
と呼ぶようになったんですね。
この「女形」も顔見世興行のときはやぐらの下に4枚の絵看板を掲げていたそう。
他にも「二枚目」「三枚目」を兼ね揃えた「二枚目半」なんてのもありますね。
カッコいいが当人はその自覚がなく(鼻にかけることなく)愉快な人を意味。
いまいち締まらない色男を「二枚目半」と呼ぶつかいかたもあります。
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