すり鉢の用途の変化と共に内側の筋も変化
すり鉢が用いられるようになったのは平安時代からなのだと。
けれどこの頃のすり鉢は内側の筋が現在のものよりも少なく10本ぐらいずつで4~5列ほどついている程度でした。
これで作られた団子は「粢(しとぎ)」と呼ばれて神前に供えられました。
米の粉を水で溶いてすり鉢ですり込む。
そのためには筋が少ない方が使いやすかったのだと。
その後、平安時代も終わり頃、米を水につけず乾燥したまんまでこの料理を作るように。
そして現在のように内側全面に筋のついたすり鉢ができ、主流になりました。
初めは筋のない鉢でただ混ぜるだけだったのですが、やがてこねるという料理法が編み出され、さらに細かくすりおろすように。
時代とともに料理法が発達し、それに従ってすり鉢の筋の本数も増えてきたわけです。生活の知恵と移り変わりが促した変化ですね。
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