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「カップヌードル」の容器は調理器、保存器、食器の3役をこなす考え抜かれた芸術作品

雑学

カップめんの元祖、日清食品の「カップヌードル」

カップめんを1回も食べたことがない人はいないと思います?
そう思うほどカップめんは日常的な食べ物となっています。
お湯を入れたら3分待つだけ。これだけでおいしいラーメンが出来上がり。

そのカップめんの元祖であり代表作でもあるのが日清食品の「カップヌードル」。
1971年に初めて発売されて以来、今も変わらぬあの容器の形には「カップヌードル」の想像もつかないほどの試行錯誤が秘められているんです。

「カップヌードル」開発のきっかけは1958年に同社が開発した「チキンラーメン」を海外でも受け入れられるものにしたいと考えたことに始まります。
しかしながら箸やどんぶりを使わない欧米では「チキンラーメン」は馴じみません。
欧米でよく使われるフォーク。
これを使って食べる新しい容器の開発が必要と判断。

安藤百福、訪問先のアメリカで見たある光景からインスピレーションを得る

そんな時、同社の創業者の安藤百福(あんどう ももふく)は訪問先のアメリカである光景を目にすることに。
固形スープを紙コップに入れてお湯を注いで飲む。
飲み終わったら紙コップを捨てるだけ。これが容器使い捨てのインスタントラーメンの大きなヒントになります。

一見、何の変哲もない「カップヌードル」の容器ですが、あれは調理器、保存器、食器の3役をこなす実に多機能な容器になってるんです。
あの形にたどり着くまでにお湯が冷めにくい、手に持ちやすい、持っても熱くない、軽いなどさまざまな要求を満たさなければなりませんでした。

その結果、材質は発泡スチロールに決定、容器は持ちやすくめんが一様に仕上がるように底がすぼまったデザインを選択。
しかも3分間待つ間に容器の上下で温度差ができてしまう問題を解決するためめん自体にもある工夫がされています。
めんの密度を「上を密に、下を粗く」という具合にすることで温度を一定に保てるようにしてあるんですね。

普段から当たり前に食べている「カップヌードル」、気に留めることはまずないですが麵だけでなく容器も含めて全てが綿密に計算された奥深いラーメン。

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