判決はバスケットの中身で、バスケットにぶちこむ判事への心づけで全てが決まるヨーロッパのトンデモ裁判
ヨーロッパ中世から近世。この時代はまさに「暗黒の時代」だったのです。
拷問にモノをいわせた自白、魔女裁判、裁判官の横暴と庶民には多難の時代と呼ぶしかないものでした。
そんなジェームス1世時代のロンドン。
そこに「バスケット判事」なる治安判事がいました。
庁舎に連れてこられた被告と原告の手元にそれぞれふたの開いたバスケットを置いたからなんだと。
バスケットの中にぶちこむのはもちろん判事への心づけ。
バスケットの中に楽しみなんてなにも詰まっていません、判事のいびつな顔色のみ。
それでも、すがる気持ちで当事者はぶちこんでいったわけです。
原告が勝つも被告が勝つも有罪になった場合の罰の軽重も、ぜんぶ2つのバスケットの中身次第だったんですね。
本当に恐ろしい話。「地獄の沙汰も金次第」とはまさにこのこと。
けれど世間から非難されることもなくバスケット判事は悲しいかな、定着してしまいます。
17世紀半ば頃にはイギリス全土に判事の収賄(しゅうわい)が黙認されました。
その頃になると「取引判事」という呼び名でイギリス中に名称が定着したらしいです。
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