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あるマイナーな貧乏作家の嘆き、経費が最小限になるよう徹底的に経費管理した万引き生活

小話

執筆に知識は不可欠なゆえの万引きなのかも

万引き。
その商品が欲しいとかお金がないとの理由でするわけではなく、スリルを味わうためにやるひともけっこういるらしい。
チョット風変わりな万引きを繰り返した男の人がいます。

その男の仕事は時代劇の劇画作家。
というとお金は持っているのと違うか。この男もスリルを味わうためにやったのでは、と思ってしまいます。
実際には限りなくマイナーで資料にする本を買うお金にも困ってしまうほどの貧乏作家。

そしてこの男はこう考えました。
「たくさん持っている人は持っていない人に物を提供すべきだ」
本が山ほどある書店からタダで頂こうと考えました。
そうしてこの男の万引き生活が始まりました。

万引きの才能と言ってはなんですが、かなり上手く繰り返し、現行犯逮捕されるまでなんと163回の万引きを行ない成功させます。
1回の万引きで平均4、5冊。合計で550冊にも達したらしい。
それだけ繰り返してよくバレなかったな、と少し感心してしまいました。よっぽど上手く手際よくやったのでしょう。

徹底的な経費管理

しかもこの男。
ユニークなのがきちんと経費管理をしていたこと。

万引きに通う商店街までの定期券を購入し出勤経費が最小限になるよう管理していたというんです。
マイナーな貧乏作家のやむにやまれぬ仕事、そう考えると同情の余地は十分あるように感じます。
不謹慎ですがちょっと感心しています。家計簿とかつけたことがない自分からすれば、ここまできちんと管理しつつ万引きしていたというのは。

書店からしてみれば、一冊盗まれると何冊も多く売らないと仕事にならないそうなので、上手くやられればやられるだけ迷惑でしかない。

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