自分の人生を歩む子どもたちのサポート
西田正弘さんは大学を出た後、交通遺児育英会とあしなが育英会に28年勤め、親を亡くした高校生・大学生の合宿などを担当してきました。
転機が訪れたのは600人の遺児を生んだ阪神大震災。
「サポートが高校生からでは遅い」
そう考えた西田さんは仙台市で遺児を支援する市民の活動に参加。
参加して3カ月後、東日本大震災が起こったんですね。親を失った子どもたちは2千人超。
NPO法人「子どもグリーフサポートステーション」を設立。活動を引き継いで代表に就きました。
「子どもグリーフサポートステーション」のあるJR仙台駅前のビルの一室にはおもちゃがあふれています。
初めはなかなかなじめずに入ってこようとしない子もいる。けれど、子どもがおもむろに「あのね」と話し始めたらそっと耳を傾けるんです。
西田さん自身も12歳の時、交通事故で父親を亡くしてるんですね。
幼くして身近な死を経験した子は自分の可能性まで狭めてしまいがちになるのだと。
「そんなことはないよと伝えたい。悲しみは消えない。でも、親とは違う自分の人生を歩むことはできる」
西田さんはその思いと共に今日も子供たちにそっと耳を傾けます。
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