患者一人一人に合わせた免疫療法で行われる、第4のがん治療法「がんワクチン療法」
「がんワクチン療法」。
患者一人一人に合わせた免疫療法で外科手術、抗がん剤などの化学療法、放射線療法に次ぐ「第4のがん治療法」と呼ばれています。
その開発者である久留米大学がんワクチンセンターの伊東恭悟さん。
今年7月、日本で初めてがんワクチンの治療を専門に行なう施設が福岡に誕生しました。そのセンター長を務めるのが伊東恭悟さんです。
伊東さんたちが開発したペプチドを使ったがんワクチンの仕組みはがん細胞だけを攻撃する免疫細胞(キラーT細胞)を活性化させる。
その結果、がんの増殖や再発を抑えるというもの。
一番の特徴は「テーラーメイド型ワクチン」と呼ばれているもの。
「テーラーメイド型ワクチン」とはそれぞれの患者に一人ずつワクチンの中身を変えて最大限の効果がでるようにするもの。
ワクチンのオーダーメイドと考えてもいいかもしれません。
31種類のワクチンを解析し患者のがんに有効なものを選んで使用します。すでに成果もたくさん出ていて、
- ある60代の男性、胃がん末期のため余命半年を告げられた患者さんが、なんと1年7ヶ月を経過しても元気に日常生活を送っている。
- 寿命1年以内を宣告されたすい臓がんの65歳の女性、抗がん剤とワクチンを併用させることでがんを縮小することに成功。
と確実に進んでます。
しかも4種類の有効ワクチン注射を肩と首に打つだけなので治療時間は5分ほどですむのだから驚き。
また体内の免疫細胞を活用するため副作用も少なくカラダに優しい治療なんで、通常の日常生活を送ることができるんです。
ただ、体力や免疫力が著しく低下してると現時点では治療できないという課題もあります。
現在は臨床試験中で保険が効かない為、1クール(3ヶ月)6~8回の治療で70万円必要となるんですね。
まだ個人で利用するにはややハードルが高いです。
伊東さんたちが開発するワクチンは医薬品承認まであと一歩の段階まで来ています。
一日でも早く承認され、保険を適用し低額で治療出来る日が来ることを期待されてます。
コメント