伝統の木造建築技術を生かしより高みへ
伊勢神宮や正倉院の一部にも使われている伝統の建築技術「板倉造り」。
その技術と現代の技術を融合させ「現代版・板倉構法」を考案した方がおります。
筑波大学名誉教授の安藤邦廣さん。
「板倉造り」は1000年以上もの長い時間、熱や湿気から大切な宝物を守ってきた伝統の木造建築技術。
「家造りはふるさと作り」と考える安藤さんは老朽化した古民家の再生も手掛けていました。
活動を続けているうちに古民家には驚くべき知恵が込められていると感じました。
梁はねじれているが乾燥するとより頑丈な構造になる構法や、茅葺き屋根にあえて草を生やし根っこで家を頑丈にする「芝棟」などの技術。
安藤さんは断熱材や合板やらを使用せずほぼ木材のみで作り上げます。
木材の持つ優れた断熱性、調湿性という特性をいかして震度7以上にも耐える耐震性と防火構造をも実現しました。
「板倉造り」では厚さ2寸(6センチ)の板が使われていますが、1本のスギで厚さ6センチの板を取るのは難しかったんです。
考えた結果、半分の3センチという合理的な厚さを導き出し横板の上に立板を組み合わせる「二枚張り」の工法を生み出します。
南三陸町での「現代版・板倉構法」造りの食堂が完成、もうすぐ開業する予定。
日本の伝統の木造建築技術を現代の技術と融合させ、さらなる高みに昇った「現代版・板倉構法」、歴史の繋がりを感じるために訪れるのもいいかもしれません。
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